最近、多いです・・・
香りの印象についてお気づきいただき、
そして率直に教えていただけたこと、
とても丁寧に扱ってくださり、ありがとうございます。
ただ、同じ商品でも 「製造出荷仕立て」と「月日が経ったもの」では、
香りに微細な変化が出ることがございます。
5つの主な理由をあげます。
① トップノート(揮発の早い成分)が少しずつ飛ぶから
精油には揮発の早い成分(トップノート)と、
遅い成分(ミドル〜ベース)があります。
時間が経つと、トップノートがゆっくり空気中へ飛んでいくため、
角が取れた・落ち着いた香りに感じやすくなります。
例:シトラス・柑橘系 → 明るさが控えめになり、より丸みのある香りへ。
② 成分同士がなじむ=熟成するから
ブレンドした精油は、
時間が経つほど成分同士が溶け合い、
香りのレイヤーが一体化していきます。
そのため、
・製造出荷仕立て → それぞれの香りが立ちやすい
・月日が経過 → お互いが馴染んでまろやかになる
ワインや紅茶の熟成に少し似ています。
③ 酸化による微細な変化
精油は空気に触れると少しずつ酸化します。
もちろん問題が起こるほどではない範囲ですが、
香りのニュアンスが僅かに深く、重く感じられることがあります。
特に柑橘系・スパイス系は変化が分かりやすいです。
④ 素材だからロットごとの個性がございます。
同じ植物でも
・収穫時期・天候・土壌・蒸留タイミングなどが毎回違うため、
精油の香りにはロットごとの個性があります。
同じレシピで作っても、微差は生まれるのはこのためかと思われます。
⑤香料も人の手、製造も人の手が関わっている
香りが違うと感じることに
劣化ととらえず、むしろ「自然な変化」と捉えていただき、
お客様やスタッフさまには、「熟成したんだね」とお伝えいただければ幸いです。
天然香料・香水香料は空気・温度・光・酸素などの影響を受けながら、
ゆっくりと変化していくことも熟成と呼びます。