1. DIARY
  2. オンラインサロン
  3. 香りの「深さ」を考える
 

香りの「深さ」を考える

香りの「深さ」を考える
例えば、落ち込みにもライトな落ち込みとどーーーーんというような深い落ち込みがありますよね。

気持ちと同じように、匂いにも「深さ」があります。


天然香料の構成を組み立てるには、
香りの質や強度だけではなく、香りの広がり(拡散性)や香りの変化(持続性)も意識しなくてはいけません。
そして、香りの最大の特徴でもある揮発性。
香料によって、2〜3分で消えてしまうものもあれば、
数週間経っても、まだ匂いの残っているものもあります。

1950〜1960年代にかけ、ジャン・カール・パウチャーらは
この揮発性に基づき3つのグループに分類しています。

例えば、試香紙につけて10分ぐらいまでに匂いがなくなる揮発性の
高いものを「トップノート」
数時間ぐらいは香りが残る、中くらいの揮発性のものを「ミドルノート」
それ以後も匂い続ける揮発性の低いものを「ベースノート」として分類しています。

この考え方は、今に至るまで
多くの調香に受け継がれています。
ですが、香りの境目ははっきりとしたものがあるわけではなくて曖昧です。

調香師やアロマセラピストによっても
同じ香料なのにミドルノートと捉える、ベースノートとする・・・など
その境界線は、自由です。
特に天然香料は、多様な揮発性を有する化合物なので難しいですが、
その中でも特徴的な「香気の持続性」を一つの判断基準にしています。


3つのノート

1 トップノート(top note)

「先立ち」ともいう揮発性の強いもの(イニシャル・インパクトとも呼ばれます。)
香質的には、シトラス・エステル・アルデヒド・フルーツ・グリーン・ハーバルなどの
香りが多いです。
具体的なエッセンシャルオイルは、ベルガモット・レモン・オレンジなどがあげられます。

2ミドルノート(middle note)


「中立ち」ともいう中間的な揮発性のもの。
トップノートが衰えた後に蒸発する成分で香料のボディ(BODY)になります。
香質的には、ジャスミン・ローズなどを主体とするフローラルな香りが多いです。
持続性のある香料素材には、匂いはじめに不快なにおいと感じる要素があるので、
それを修飾したり、重い匂いを補整して優雅なものにしたりする変調剤としての役割があります。
具体的なエッセンシャルオイルは、ラベンダー・イランイラン・ゼラニウムなどがあげられます。

3ベースノート(base note)

「後立ち」ともいう揮発性の低いもので、優れた保留性を示す成分。
残り香に影響します。
ラストノートとも呼ばれます。
香質的には、アンバー・ウッディなどの香りが多いです。
香水として肌につけたとき、いつまでも匂い残香になります。
具体的なエッセンシャルオイルは、サンダルウッド・パチュリ・ベンゾインなどがあげられます。